防災食糧難対策水やりや耕しを全くせずに、ほったらかしで米作をする方法 2025/4/16

水やりや耕しを全くせずに、ほったらかしで米作をする方法 #1

水やりや耕しをせずに、できるだけ手間をかけずに米作りをする方法。実は、完全に「ほったらかし」で米を作るのは難しいけれど、自然農法や不耕起栽培といった方法を取り入れることで、従来の米作りよりも手間を大幅に減らすことは可能です。以下にその方法や考え方を説明します。

1. 自然農法をベースにする
自然農法は、耕さず、肥料や農薬を使わず、自然の力を最大限に活かす農法です。代表的な提唱者である福岡正信さんの「わら一本の革命」では、以下のポイントが重視されています。
– 不耕起（耕さない）: 土を掘り返さず、自然の土壌構造を維持する。耕さないことで土の中の微生物や虫たちが自然に土を肥沃にしてくれる。
– 水やりを最小限に: 水田での米作りでは通常水を張るけど、自然農法では雨水に頼る形で水やりを省くことが多い。ただし、完全に水やりゼロにするのは地域や気候に依存する。
– 種まきと収穫のみ: 基本的に種をまいて、収穫するだけ。雑草対策として、わらや刈った草を敷くことで雑草を抑え、土の保湿も図る。

2. 不耕起栽培の具体的な手順
実際に「ほったらかし」に近い形で米を作るなら、以下のようなステップを試してみるといいよ。

1. 田んぼの準備（初回のみ）
最初の年は、既存の田んぼや畑をそのまま使う。耕さずに、雑草やわらを敷いて土を覆う。これが土の乾燥を防ぎ、雑草の抑制にもなる。

2. 種まき
直播（じかまき）といって、苗を育てずに直接田んぼに種をまく。福岡さんの方法では、種を泥団子に包んでまくことで、鳥に食べられにくくし、発芽率を上げる工夫がある。

3. 水管理
水やりをしない場合、雨水が自然に溜まる低地や湿地帯を選ぶのが理想。完全に水やりゼロは難しい地域もあるから、最初は様子を見ながら必要最低限の水を補うことも考えよう。

4. 雑草や害虫対策
雑草はわらや草を敷くことで抑える。害虫については、自然農法では天敵（カエルや鳥など）に任せる考え方。農薬は使わない。

5. 収穫
稲が育ったら収穫するだけ。手作業で刈り取るか、小型の機械を使うかは規模次第。

3. 注意点
– 気候や土地の条件が重要: 水やりゼロを目指すなら、雨量が多い地域や、地下水が豊富な場所が適している。乾燥地帯だと難しい場合がある。
– 収量は少ない可能性: 通常の米作りと比べて、手間をかけない分、収量は少なくなることが多い。商業目的ではなく、自家消費用として考えるのが現実的。
– 最初の数年は試行錯誤: 自然農法は土が自然のバランスを取り戻すまで時間がかかる。最初は失敗するかもしれないけど、土が育つとだんだん安定する。

4. おすすめの参考資料
– 福岡正信さんの「わら一本の革命」という本を読むと、自然農法の哲学や具体的な方法が詳しく載っているよ。
– 地元の自然農法実践者のワークショップやコミュニティに参加すると、実際にやってる人の話を聞けて参考になる。

完全に「ほったらかし」で米を作るのは理想的だけど、多少の管理は必要になることもある。まずは小規模で試してみて、自分の土地や気候に合った方法を見つけるのが一番です。

水やりや耕しを全くせずに、ほったらかしで米作をする方法 #2

水やりや耕しといった作業をまったく行わず、「ほったらかし」に近い形で米を栽培しようとする試みは、一般には「自然農法」や「不耕起栽培（ふこうきさいばい）」と呼ばれる方法が参考になります。なかでも、有名なのが福岡正信氏の提唱した「自然農法」で、従来のように田を耕さず、農薬や化学肥料なども用いず、できるかぎり自然に任せて作物を育てる考え方です。ただし、実際には全くの無管理というわけにはいかず、以下のようなポイントを押さえておく必要があります。

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1. 稲の品種選択と土壌・気候条件の影響
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■ 十分な降雨量がある地域かどうか
「水やりをしない」ということは、主に雨水だけで水分をまかなうことになります。地域として降雨量が比較的安定している、もしくは土壌の保水力が高い場所であれば、最低限の水分は得られやすくなります。乾燥しやすい地域や、田んぼではなく排水の早い畑などでは、ほったらかしで十分な水分を得るのは難しくなります。

■ 品種の選択
一般的な稲は水田での栽培を前提として改良されてきました。自然農法を実践する場合は、不耕起・直播（じかまき）でも比較的育ちやすい在来種や、自然農法による栽培実績のある品種を選ぶと成功しやすいです。

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2. 不耕起栽培で土を「育てる」考え方
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不耕起栽培とは、なるべく土を耕さずに作物を育てる理念です。耕さない理由は、土中の微生物やミミズのはたらきによって土が自然にふるい状態になり、団粒構造（だんりゅうこうぞう）と呼ばれる通気性・排水性に優れた土壌が形成される、と考えられているからです。

■ 稲わらや草を敷く
稲わらや刈り取った雑草をそのまま畑や田んぼに敷くことで、土や微生物の環境を整え、保湿や雑草抑制にもつなげます。これを続けると、いわゆるマルチ（覆い）効果が働き、多少の乾燥や雑草競合を緩和します。

■ 土の肥沃度の維持
化学肥料を使わないかわりに、土に有機物が蓄積されることで土壌の肥沃度が高まります。稲わらや雑草がゆっくりと分解され、微生物が増えることで、自然に近い形での栄養循環が期待できます。

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3. 完全放置に近い栽培の難しさ
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■ 雑草や害虫への対処
「ほったらかし」に近い形とはいえ、雑草や害虫が大繁茂すれば、稲の成長を妨げるリスクは高くなります。自然農法では、雑草も含めた生態系全体のバランスを重視するため、完全に排除するのではなく、必要に応じて刈り取った草を敷草（マルチ）に使うなど、循環させる形が一般的です。まったくの無管理だと、稲より背の高い雑草が生えて稲が日光を得られなくなるなどで、収量が大幅に減る可能性があります。

■ 適切な収量の確保
何も手をかけずに安定した量の米を収穫するのは、現実的にはかなり難しいです。自然農法を実践する人でも、最低限の田んぼの手入れや観察は行い、草の刈りタイミングや種まき時期などを工夫していることがほとんどです。

■ 収穫までの時間とリスク
ほったらかしに近いとはいえ、鳥やネズミなどの被害は受けやすいですし、倒伏（とうふく）・病気も起こりやすくなります。そうした問題を見守りつつ、やむを得ないときには最低限の対策が必要になる場合があります。

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4. ほったらかしに近い米作の実践例
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■ 福岡正信氏の「自然農法」(通称：無耕起・無肥料・無農薬)
福岡氏は、稲と麦を交互に同じ田んぼに直播し、稲わらなどをそのまま圃場に戻す方法を取りました。一般的な水田のように水をたくさん張るわけではなく、常に薄く水があるか、ほぼ雨だけで育つような状態で直播することもありました。しかし、完全放置というよりは、米と麦の扱い方や時期をしっかり管理して共存させるなど、“見極め”が重要とされています。

■ 在来農法や在来品種の利用
山間地の棚田などでは、昔ながらの在来品種をあまり耕さずに育てる例があります。こうした地域では水管理が比較的自然に任せられているケースもありますが、地形的に常に湧水がある、斜面で水が溜まりやすい、といった環境条件が大きく影響します。

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5. まとめ
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・水やりや耕しを完全にゼロにするのは、現実的には難しく、環境条件（降雨量、土壌、気温など）の影響を大きく受ける。
・自然農法（不耕起栽培）では、耕さず、化学肥料や農薬も使わず、稲わらや雑草を敷くなどで土壌を育てるが、それでも最低限の「手入れ」や「観察」は必要。
・完全放置に近い形で米が育つ事例もごく稀にはあるが、安定して収量を得るのは難易度が高い。
・やるとすれば、在来・古代品種などの地域環境に合った稲を選び、自然の降雨と土壌に期待しつつ、草をうまく活用するなどの工夫を取り入れる。

「ほったらかし」に近づけるには、地域特有の自然環境に合ったやり方を模索し、田んぼや畑の土壌と生物相を長期間育てていく姿勢が欠かせません。ただ、本当に全く何もしないとなると、雑草や鳥獣害が増えて収量を確保できない可能性が非常に高いため、「最小限の管理」という位置づけで運用するケースがほとんどです。こうした取り組みは、時間や自然の経過とともに土壌の力を引き出す、長期的視点が肝心となります。